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92. 朱貴(しゅき)梁山泊の最古参の一人で、情報の収集と往来の監視を担った工作員。席次九十二位、地囚星を司る。異名は旱地忽律。麓の居酒屋を拠点に、山へ入る者の素性を検分し、鳴鏑(かぶらや)を放って合図を送る役目を長年務めた。林冲の入山時から組織の変遷を見守り、一貫して密偵の長として実務に徹した。方臘の乱の最中、杭州にて流行した疫病に感染し、戦後を待たずして没した。93. 朱富(しゅふ)朱貴の弟。兄と同様に居酒屋を営み、酒造や兵糧の差配に長けた実務家。席次九十三位、地蔵星を司る。異名は笑面虎。李逵の救出に際しては、師である李雲を薬で眠らせて梁山泊へ引き入れる策を講じるなど、機転に富む一面を見せた。入山後は醸造や宴会の管理を担い、軍の裏方を支え続けた。方臘の乱で兄の朱貴が病に倒れると、その看病にあたったが自らも感染し、兄の後を追うように病死した。94. 蔡福(さいふく)北京大名府の獄吏兼処刑人。席次九十四位、地平星を司る。異名は鉄臂膊。盧俊義が捕らえられた際、梁山泊と官府の板挟みとなるが、最終的に弟の蔡慶と共に組織へ加わった。梁山泊ではそれまでの経験を活かし、軍法執行官として首斬り役や刑罰の管理を担当。職務に忠実な武人として各地を転戦したが、方臘の乱の最終盤、清渓県での激戦において負傷し、軍中にてその生涯を終えた。情報の入り口を守り、平時も戦時も組織の通信網を維持し続けた朱兄弟。そして、旧体制の法執行者から梁山泊の規律維持へと転じた蔡福。彼らのような、特定の職能を持つ「専門職」の存在こそが、梁山泊という多種多様な人材の集う組織に、軍隊としての実務的な継続性をもたらしていたといえます。