101. 顧大嫂(こだいそう)登州で居酒屋を営んでいた孫新の妻。席次百一位、地陰星を司る。異名は母大虫。虎のごとき気性の激しさと、男性数人を一度に相手取れるほどの武芸の持ち主であった。親戚である解珍・解宝の窮地を救うため、夫とともに監獄襲撃を主導し、梁山泊入山のきっかけを作った。入山後も居酒屋での密偵業務や、戦場での女軍の指揮に奔走。方臘の乱を無事に生き抜き、戦後は夫や義兄とともに登州へ戻り、再び平穏な暮らしを手に入れた。102. 張青(ちょうせい)孟州の十字嶺で居酒屋を営んでいた「菜園子」。席次百二位、地刑星を司る。かつては寺の菜園番であったが、些細な衝突から人を殺め、野に下った。妻の孫二娘とともに居酒屋を隠れ蓑にした剥ぎ取り稼業を行っていたが、武松との出会いを経て梁山泊へ加わる。入山後はその経験を活かし、山麓の居酒屋で情報収集と兵糧の差配を担当。裏方として組織を支え続けたが、方臘の乱における吸州の戦いで乱軍の中に戦死した。103. 孫二娘(そんにじょう)孟州・十字嶺の居酒屋を切り盛りする女傑。席次百三位、地壮星を司る。異名は母夜叉。立ち寄った旅人を痺れ薬入りの酒で眠らせ、金品を奪うだけでなく、その肉を饅頭の具として客に供するという世にも恐ろしい家業を差配していた。流刑途中の武松をも餌食にしようとしたが、その機略に見破られ降参。これを機に武松と義兄弟の契りを結び、梁山泊へ合流した。入山後も夫の張青と共に密偵として活動し、凄まじい度胸で組織の裏面を支え続けたが、方臘の乱にて敵将の飛刀を浴び、戦死した。十字嶺の惨劇を象徴する「人肉饅頭」という禁忌のエピソードは、彼女が単なる女丈夫ではなく、既存の倫理観から完全に逸脱した「アウトローの中のアウトロー」であることを示しています。こうした凄惨な背景を持つ者さえも受け入れ、それぞれの職能を組織の力へと変換していく梁山泊の懐の深さと、その異常なまでの多様性を彼女の存在が際立たせています。